東京モーターショー2017でお披露目された商用バンのコンセプトカー「LCV CONCEPT」(ライト・コマーシャル・ビークル コンセプト)。商用車に求められる耐久性、経済性、積載性、そして乗る人や働く人に”やさしい”をプラスしたマルチバンです。
このコンセプトカーが次世代のハイエースとなるのでしょうか!?
目次
・LCV CONCEPTの3つのスタイル
・LCV D-CARGO CONCEPT (配送向け車両)
・LCV BUSINESS LOUNGE CONCEPT (ビジネス送迎車両)
・LCV ATHLETIC TOURER CONCEPT (車いすアスリート向け車両)
・ハイエースとの違いは?
・まとめ
「LCV CONCEPT (エルシーブイ コンセプト)」の3つのスタイル
今回発表された次世代ビジネスバン「LCV CONCEPT」では3つのスタイルが紹介されました。
・エルシーブイ ディー・カーゴ コンセプト(LCV D-CARGO CONCEPT) は配送向けの商用バンタイプ。
・エルシーブイ ビジネスラウンジ コンセプト(LCV BUSINESS LOUNGE CONCEPT)はビジネス向けの送迎車両。
・エルシーブイ アスレチックツアラー コンセプト(LCV ATHLETIC TOURER CONCEPT)は車いすアスリート向けの車両。
「LCV CONCEPT」はトヨタグループのトヨタ車体(ミニバンや商用車、SUVの企画開発生産を行っています)から発表されました。
未来的なデザインだけでなく、セミボンネットタイプのボディに自動運転を想定した運転席、前後に大きく開くスライドドアなど、現在の商用バンから大きく変化を感じられます。
エルシーブイ ディー・カーゴ (LCV D-CARGO CONCEPT) 配送向け車両

トヨタ車体 エルシーブイ ディー・カーゴ (LCV D-CARGO CONCEPT)
ECサイトの利用者の増加による一般家庭へ小口配送の拡大に対応する、配送スタッフに優しい商用バンをコンセプトとした「LCV D-CARGO CONCEPT」。
荷物を運ぶために様々な工夫がされています。サイドのスライドドアは前後両方に開き、快適に荷物の出し入れができるようになっています。

LCV D-CARGO CONCEPT 前後に広く開くスライドドア
前席のドアは前方に、後席のドアは後方にスライドするため、大きな荷物でもサッと出し入れできます。

LCV D-CARGO CONCEPT 未来感のある商用バン

LCV D-CARGO CONCEPT フラットなフロア
荷室は低めのフラットなフロアになっており、ラックをスライドさせて荷物が取り出しやすくなっています。

LCV D-CARGO CONCEPT 自動運転を想定した未来的な運転席

LCV D-CARGO CONCEPT 自動運転を想定したハンドルとコントロールパネル
運転席は自動運転を想定したものになっており、ハンドル部分は目的地を入力するためのコントロールパネルが埋め込まれています。

LCV D-CARGO CONCEPT インフォメーションパネル
車両の状態を後続車両に伝えることのできるインフォメーションパネル。

LCV D-CARGO CONCEPT 商用バンタイプ
バッグドアは後ろに広がらず、上の方向へ開きます。そのため車両の後ろのスペースがすくなくても作業ができます。現在のハイエースはバックドアを開閉するのに大きく一歩後ろへ下がる必要がありましたが、少しの力と少しのスペースで開閉が出来ます。

LCV D-CARGO CONCEPT 後部から荷室を見ると
バッグドアは上下に展開し、スライド式のラックで荷物の出し入れがラクに行なえます。荷物を持つ際に身体に負担がかからないような工夫がされています。

LCV D-CARGO CONCEPT フラットな床とスライドするラック
エルシーブイ ビジネスラウンジ コンセプト(LCV BUSINESS LOUNGE CONCEPT) ビジネス送迎車両

LCV BUSINESS LOUNGE CONCEPT (ビジネス送迎車両) 内装モデルのみの出典 世界初公開
ビジネスパーソン向けの送迎をコンセプトとした「LCV BUSINESS LOUNGE CONCEPT」は飛行機のビジネスクラスのような快適な車内空間を実現しています。移動中でも快適なシートやゆとりのある車内空間でリフレッシュすることも出来ますし、仕事ができるスライドテーブルやオンラインで会議できる大型ディスプレイが装備されており、ビジネスに集中することもできます。
ハイルーフなので車内での着替えも可能です。

LCV BUSINESS LOUNGE CONCEPT 室内

LCV BUSINESS LOUNGE CONCEPT (ビジネス送迎車両)
エルシーブイ アスレチックツアラー コンセプト(LCV ATHLETIC TOURER CONCEPT)車いすアスリート向け車両

LCV ATHLETIC TOURER CONCEPT (車いすアスリート向け車両) 内装モデルのみの出典 世界初公開
車いすアスリートが一人で楽に競技用具を積込、車に乗り込んで快適に運転することができる車いすアスリートのためのトランスポーター「LCV ATHLETIC TOURER CONCEPT」。
車高ダウン機能と、車両の床下に収納されたワイドスロープで車椅子に乗ったまま乗降することができます。
車いすから運転席への移乗も可動式のステアリングとシートがアシストします。
競技用車いすは室内に載せる際は分解を必要としていたのですが、広い荷室にそのまま搭載することが可能です。
移動から練習・レースまで競技に集中できる車両を実現しています。

LCV ATHLETIC TOURER CONCEPT (車いすアスリート向け車両)
ハイエースとの違いは?
現行のハイエースと大きく違うのは、アルファードやノアなどと同じく運転席の前面にボンネットのあるボディ構造の「セミボンネットタイプ」ということです。 ヨーロッパの商業バンで主流の形状で、衝突時のクラッシャブルゾーンの確保、運転席の居住空間(高さ)の確保による安全性・快適性にメリットがあります。
しかし、「セミボンネットタイプ」では荷室空間がその分狭くなるというデメリットもあり、 現行のハイエースは運転席の下にエンジンがある「キャブオーバータイプ」で車両全長の最大限の荷室空間が確保されています。
今回のコンセプトカーでは助手席にシートを配置せず荷室とフラットな床で一体化することにより、荷室空間の拡張、車両の歩道側(左側)のスライドドアからの荷物の出し入れ、乗り降りができる利便性に工夫が見られています。
「LCV CONCEPT」はガソリンエンジンを想定して製作されています。ハイブリットやEVタイプも出てくるのでしょうか..?
車両サイズ比較ではエルシーブイ ディー・カーゴは現行のハイエースバン200系とほぼ同サイズです。ハイルーフタイプやロングタイプの車両もラインナップされるでしょう。
車両の大きさ LCV D-CARGO CONCEPT(配送向け車両)
出展者 | トヨタ車体 |
車両名 |
LCV D-CARGO CONCEPT |
全長(mm) | 4,700 |
全幅(mm) | 1,735 |
全高(mm) | 1,885 |
室内長(mm) (助手席側) |
3,500 |
まとめ
今回発表された「LCV CONCEPT」が次期ハイエースとなるのでしょうか?
自動運転を想定した運転席だけでなく、噂されていたセミボンネットタイプのボディ、大きく前後に開くスライドドア、上下分割のバックドア、低くフラットなフロアなど気になる部分が沢山ありました。
2017年後半には200系ハイエースのマイナーチェンジの噂もあります。どんな便利な工夫が加えられるか楽しみですね!